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花粉症改善、治療薬と乳酸菌併用が効果 南岡山医療センター・赤木医師ら臨床試験で確認

赤木博文医師

 国立病院機構南岡山医療センターの赤木博文医師(53)=耳鼻咽喉(いんこう)科医長=らは、スギ花粉症治療薬と乳酸菌の一種「L―55乳酸菌」を併用すると、患者の症状が改善することを臨床試験で確認した。12日から千葉市で開かれる日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会で発表する。

 L―55乳酸菌はオハヨー乳業(岡山市神下)が開発。臨床試験は、スギ花粉の飛散シーズンに当たる2008年1―4月に実施。抗アレルギー薬を例年使っているスギ花粉症の男女50人を2グループに分け、同乳酸菌入りと入っていないヨーグルトを1日200ミリリットルずつ飲んでもらった。

 くしゃみや鼻をかむ回数など患者本人による日誌を基に効果を評価したところ、L―55乳酸菌が入ったヨーグルトを食べたグループでは、そうでない患者群よりも、くしゃみが最大25%、目のかゆみは同40%に抑えられた。

 赤木医師らは、マウス実験でL―55乳酸菌が花粉症を緩和する効果を確認。ただ、臨床試験では同乳酸菌を取るだけでは花粉症の症状改善は見られないとの結果を得ている。

 今回の研究では、抗アレルギー薬とL―55乳酸菌を併用すれば、一部の症状を緩和できるとの可能性が示された。

 赤木医師は「アレルギー性鼻炎の症状を、副作用が少なく安価な方法で抑えられれば、患者のメリットは大きい。企業や大学とさらに研究を進め、ヨーグルトなどの栄養食品を使った症状緩和の可能性を探りたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年02月12日 更新)

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