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糖尿病治療で岡山県、医師会が連携 患者情報共有し分業

 岡山県医師会や県などは糖尿病患者に質の高い医療を 提供すると同時に、通院や治療が必要な患者、医療 機関双方の負担を軽減する医療 連携体制を整えた。5月の連休明けに県のホームページで参加医療機関を公表し、本格運用をスタートする。

 体制構築は県医師会や県歯科医師会、日本糖尿病学会中四国支部、県などが昨年9月から協議を重ね準備。糖尿病の研修を受けたかかりつけ医や専門病院など県内全域の機関が県に届け、参加する。

 かかりつけ医と専門病院は、1年間の治療方針を示した計画書や糖尿病療養指導士による食事療法などの報告書を交換し、患者の情報を共有する。

 病状が安定している患者は普段、地域のかかりつけ医に通院し年に数回、専門病院で検査や治療を受ける。腎臓病や網膜症、歯周病などを併発した場合は専門病院が担当するなど、病状に応じて適切な医療を提供する。

 連携と分業により、患者は病状確認や投薬などの診療はかかりつけ医で受けられるため、通院などの負担が軽減。一方、専門病院も診療にゆとりができる。

 体制構築に携わった岡山大病院の四方賢一准教授は「多くの専門病院は患者数が飽和状態で、十分な診療時間を取れないのが実情。効率的な医療体制の確立でより多くの患者に質の高い治療ができる」と強調する。

 県健康対策課は「公表した医療機関と病状を照らし合わせ、どの医療機関を受診するのが適切か判断の参考にしてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年04月22日 更新)

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