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岡山大病院がピアサポート相談開始 月2回、がん体験者が助言

がん体験者として闘病中の患者や家族から相談を受けるピアサポーター(左の2人)

 がん体験者が助言者を務め、闘病中のがん患者や家族から相談を受ける「ピアサポート相談」が12日から岡山大学病院(岡山市北区鹿田町)で始まった。今後も月2回、治療に伴う生活上の問題、再発の不安などの話を聞き、患者と共に考える。定期的なピアサポート相談の窓口設置は岡山県内では初めて。

 「ピア」は「仲間」の意味。医療者からがんの診断や治療法の説明を受けてもすぐには理解できず、混乱してしまう患者は少なくない。がん治療を受けて回復した人がピアサポーターとして相談に乗れば、患者と体験を共有し、困難を乗り越える知恵を伝えることができる。

 同病院の相談窓口は総合患者支援センター内に開設した。乳がんなどを体験した女性6人がピアサポーターに登録し、毎月第2水曜と第3火曜日の午前10時~午後3時、患者らの相談を受ける。県のがん患者支援事業の一環で行われ、受診先の医療機関に関係なく、無料で利用できる。予約は不要で時間内の入退出も自由。

 同病院は数年前からピアサポーターの養成に取り組み、県内各地のがん患者会やがんサロンに参加している体験者に声を掛け、年に2、3回研修会を開いてきた。治療の流れや医療費の制度などの知識と同時に、ロールプレイ(模擬相談)を通じてカウンセリングの基礎なども身につけてもらっている。

 登録したピアサポーターは、この研修受講者の中から、個人情報の保護などを理解していることを確認して選任した。相談中は原則として病院職員は関与せず、静かな環境を保つ。仕事を続けるかどうか、生活費の工面、子育ての心配など、医療者には打ち明けにくい悩みも気兼ねなく話せるように配慮する。

 利用状況に応じ、相談時間の延長や相談日を増やすことも検討する。同病院の主任医療ソーシャルワーカー石橋京子さんは「将来的には独立した相談拠点を設け、いつでも利用できるような体制を目指したい」と話している。

 2回目の相談日は18日。10月は10、16日に実施する予定。治療法の是非など医学的な相談は受け付けない。問い合わせは同病院総合患者支援センター(086―235―7744)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年09月18日 更新)

タグ: がん岡山大学病院

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