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南極観測隊参加、極地医療へ決意 倉敷の医師・岡田さんが再び

第60次南極観測隊に参加する岡田さん

前回の南極観測隊に参加した時の岡田さん。後ろに見えるのが昭和基地=2010年3月

 今年10、11月から2020年3月までの第60次南極観測隊の越冬隊に、倉敷市の医師岡田豊さん(52)が岡山県内在住者で唯一参加する。09~11年にも越冬隊を経験しており「前回は自分のことで精いっぱいだったが、隊員の安全をしっかり守りたい」と、極地医療へ決意を新たにしている。

 福山市出身の岡田さんは、大学卒業後に外科医として岡山大病院などで勤務。02年から沖縄・西表島の診療所に赴任していた際、南極観測隊の医師を公募していることを知り「へき地医療の経験を生かしたい」と応募した。

 1年半近く過ごした初めての南極は「あっという間だった」という。神々しいオーロラに魅了され、氷山を削っての流しそうめんに舌鼓を打つなど、極地ならではの経験が脳裏に焼き付いている。

 ただ、医療人として心残りもあった。事故ではあったが、滞在中に2人が骨折したからだ。「危機管理をしっかりしていれば防げたのではないか」との思いが、再度の応募の動機となった。

 第60次の越冬隊は総勢31人で、医師は2人。岡田さんは7月から国立極地研究所(東京)に通って準備を進めている。現地では除雪作業や重機操作など専門外の活動に携わる隊員もおり、外傷防止といった安全対策に力を入れている。滞在中に倉敷市内の小学校と映像を結んで「南極教室」を開く計画も構想している。

 先遣隊として10月28日に空路で南アフリカへ飛び、ロシアの南極基地を経由して昭和基地に。その後、標高3800メートル付近にあり、氷点下50度のドームふじ基地で活動する。「早速、過酷な環境が待っている。心身ともにきっちり整え、役割を果たしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年10月01日 更新)

タグ: 医療・話題

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