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知的障害者の地域生活 理解の鍵はあいさつ 岡山・吉備の里住民アンケート

知的障害者に自覚してほしいこと(グラフ)

 相互理解のカギはあいさつ―。社会福祉法人「吉備の里」(岡山県吉備中央町上野)が吉備高原都市の住民を対象に行った知的障害者の地域生活に関する意識調査で、こんな結果が明らかになった。

 吉備の里は一九八七年、就労している知的障害者が共同生活を送る「通勤寮」を開設。九一年から岡山市や吉備高原都市などでグループホームの運営にも取り組み、地域生活の中での障害者の自立を支援している。

 調査は、障害者を受け入れる地域住民の意識や関心度を把握しようと、五月に実施。同都市北部住区の旧加茂川町の八十四世帯から回答を得た。

 「知的障害者に自覚してほしいこと」では、「あいさつをしてほしい」が36・9%でトップ。次いで「地域の行事に参加してほしい」19・0%、「交通マナーを守ってほしい」15・5%。

 また、知的障害者と「接する機会がある」と答えた五十一世帯に、その状況を尋ねたところ(複数回答)、「あいさつ」が四十四世帯と最も多く、日常のあいさつが障害者と地域住民をつなぐ重要なポイントとなっていることが分かった。

 一方、「知的障害者の地域生活に対する考えは」では、「支援活動に参加したい」が47・6%あるのに対し、「余裕のある人ややる気のある人がすべき」(35・7%)、「福祉は行政がすべき」(9・5%)など消極的な意見もあった。

 吉備の里通勤寮の山崎弘一主任は「知的障害者と地域との接点が予想以上に多いのに驚いた。より多くの人に関心を持ってもらうため、さらに積極的な情報提供が必要だろう」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年08月22日 更新)

タグ: 福祉

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