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ギャンブル依存症患者の家族支援 考える会が県内で月1回相談会

県内での活動内容などを話し合う「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中代表(右)ら=9月22日、岡山市内

 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(東京)が9月から岡山県内でギャンブル依存症患者の家族への支援を始めた。月1回、セミナーや相談会を開くとともに、同じ悩みを抱えた人たちを結び付け、家族会の設立を目指す。

 考える会は、ギャンブル依存症から立ち直った田中紀子代表(54)=東京=が2014年2月に設立。全国30都道府県で家族対象の相談会を開き、依存症患者からの金銭要求への対応方法などを助言している。

 田中代表はかつて、競艇や海外のカジノにのめり込み、1日で200万円ほど失った経験がある。夫がギャンブル依存症だった女性のブログを励みに立ち直ったことから、「回復に向けて一緒に歩む人の存在が重要」と家族支援に力を入れるようになった。

 考える会が9月22日に岡山市内で開いた初の相談会には5家族が訪れ、悩みを打ち明けた。現在は関西在住のメンバーを中心に運営しているが、将来は県内の相談者たちで家族会をつくって続けてもらいたい考えだ。

 7月にカジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法が成立し、ギャンブル依存症への対策が求められている。田中代表によると、依存症の認識がない患者や家族がいるほか、どこに相談すればよいか分からない人も多いという。

 田中代表は「ギャンブル依存症の人が身近にいても、世間体を気にして相談に行けないケースは多い。状況を悪化させないためにも、家族支援を強化していきたい」と話している。

 ギャンブル依存症 賭け事に対する衝動が抑えられず、やめたくてもやめられなくなる精神障害。厚生労働省が2017年度に行った調査によると、ギャンブル依存症経験が疑われる人は成人の3・6%の約320万人と推計されている。

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 ギャンブル依存症問題を考える会は14日午後1時半から岡山市中区西川原、おかやま西川原プラザで、家族らを対象としたセミナーを開く。県精神科医療センターの橋本望医師と田中代表が治療法や解決策などを話す。無料。申し込み不要。

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年10月11日 更新)

タグ: 精神疾患

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