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地域の医師からの難病相談に回答 県が岡山大病院内にセンター開設

 岡山県は、地域のかかりつけ医から難病に関する相談を受け付ける「難病診療相談専門医サポートセンター」を岡山大病院(岡山市北区鹿田町)に開設した。早期診断につなげるほか、患者が身近な医療機関で適切な治療が受けられるようにするのが狙い。一般向けとして、同センターのホームページ(HP)で症例別に医療機関の情報を提供する取り組みもスタートさせた。

 センターは1日付で同大病院の脳神経内科に設けた。消化器内科やリウマチ・膠原(こうげん)病内科など計24診療科が連携。「下痢を繰り返す患者がいるが、専門病院に紹介した方がよいか」「難病を持つ人の雇用への配慮について教えてほしい」など、地域の一般病院や診療所の医師からの相談に同大病院の専門医らが回答する。質問はメールとファクスで受け付ける。

 同時に立ち上げたセンターのHPには、パーキンソン病や潰瘍性大腸炎など難病ごとに、県内で診断・治療が可能な医療機関を示しているほか、過去の診療実績の有無も掲載。遺伝子診断が可能な疾患については実施機関を紹介している。

 県によると、県内には2万人近い難病患者がいる。医療費助成の対象となる指定難病だけでも331疾患あるなど、多種多様なことから診断が難しく、症状に苦しみながら医療機関を転々とする患者も多いという。

 厚生労働省は2017年4月、難病患者への医療提供体制の構築を都道府県に求めており、センター開設はその取り組みの一環。県医薬安全課は「早期診断や身近な医療機関での継続的な治療につなげたい」としている。

 県は6月、難病全般の治療などを行う「拠点病院」に岡山大病院を、主要な難病に対応する「協力病院」に川崎医科大付属病院(倉敷市松島)や津山中央病院(津山市川崎)など16病院をそれぞれ指定している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年10月15日 更新)

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