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歯周病治療で血中酸化ストレス改善 岡山大助教ら数値で裏付け

玉木直文助教

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の玉木直文助教(予防歯科学)らの研究グループは4日までに、歯周病治療が血中の酸化ストレスを減らすことを数値で裏付けた。酸化ストレスは人体に有害な作用を及ぼすことから、歯周病治療が全身の疾患予防につながる可能性が高いとしている。

 歯周病患者19人の指先から数滴の血液を採取し、専用機器で酸化ストレスを測る調査を2008年から実施。歯周病治療前と治療後1、2カ月の計3回検査した結果、治療前に平均442だった酸化ストレス数値(CARRU)は1カ月後に同333、2カ月後には同306に減少した。最も効果のあった患者は452から188(2カ月後)に変化した。

 歯周病の治療効果の高い患者ほど、酸化ストレスの改善率が高いことも分かった。

 酸化ストレスは、炎症などによって生成された過剰な活性酵素がDNAや脂質の異常を引き起こしたりする作用。高血圧やメタボリック症候群、老化を進める要因になる。数値が高い人ほど、生活習慣病を患っているケースが多いという。

 歯周病は糖尿病、動脈硬化などとの関連も指摘されている。玉木助教は「肝臓がんと歯周病を併発する患者を対象とした研究にも、消化器内科と共同で取り組んでおり、早期に両者の関係を突き止めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年09月05日 更新)

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