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岡山県内でHIV検査が減少傾向 早期発見へ県は積極検査呼び掛け

 岡山県内の保健所やエイズ治療拠点病院(10カ所)で実施しているエイズウイルス(HIV)検査数の減少傾向が続いている。2017年は1152件と、過去5年間で最も少なく、18年も9月末までで約900件にとどまっている。発症を遅らせるには早期発見が重要となるだけに、県は積極的な検査を呼び掛けている。1日は世界エイズデー。

 県健康推進課によると、HIV感染者が県内で初めて確認されたのは1991年で、2017年までの累計は感染者159人、患者83人の計242人。10年以降、16年を除いて毎年20人前後が新たに判明し、18年は9月末時点で13人(感染者12人、患者1人)に上る。

 過去5年間の検査数をみると、最も多かったのは14年の1490件。16、17年は1100件台と2割以上落ち込んでいる。検査場所のうち、エイズ治療拠点病院での件数が半分程度になったのが影響しているとみられる。同課は「検査場所の周知が進まない上に、病気への誤解や偏見から検査を控える人がいるのでは」と分析する。

 県エイズ医療等推進協議会長の川崎医科大・和田秀穂教授は「全国的にも検査を受ける人は減っている」と指摘した上で「検査で早期発見できれば、発症が抑えられたり、治療が始められる。心当たりのある人はぜひ受けてほしい」と呼び掛けている。

 世界エイズデーにちなみ、県内各保健所・支所は2~14日、通常検査とは別に、持ち回りで夜間・休日検査を実施する。いずれも無料、匿名で受けられる。問い合わせは同課(086―226―7331)か各保健所。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年11月30日 更新)

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