岡山県内16年がん患者1.5万人 全国19位、子宮がんは最低

 厚生労働省が初めて公表した「全国がん登録」に基づくデータで、2016年に岡山県内でがんと診断された患者の詳しい実態が明らかになった。患者数は1万5109人で、都道府県で多い方から19番目。部位別の罹患(りかん)率(人口10万人当たりの発症者数)では子宮がんが25・2人(全国平均33・3人)と、全国で最も低かった。県は分析を進めながら実情に応じた対策を講じ、がんの早期発見や予防に力を入れていく方針。

 全国がん登録は、がん患者を診察した全ての病院に患者情報の登録を義務付けた制度で16年にスタート。厚労省の1月発表のデータによると、16年にがんと診断されたのは全国で99万5132人だった。

 県内の患者の部位別で最も多かったのは胃の2333人。大腸2086人、肺1992人、前立腺1460人、乳房1330人―と続く。全国データでもこれらの部位が上位5位を占め、岡山と全国で大きな違いはなかった。

 都道府県ごとに年齢構成が同じになるように調整し、人口10万人当たりで算出した罹患率で比較的高かったのは、男性の膵臓(すいぞう)が17・8人(全国平均17人)で全国8位、女性は腎・尿路が7・6人(6・5人)で6位だった。

 逆に子宮がん以外で男女を通じて罹患率が低かったのは大腸がんで、全国平均の61・4人を大きく下回る51・8人。男女別では男性が全国最少の64・4人(77・5人)、女性は44位の41・1人(47・3人)だった。

 岡山大大学院の藤原俊義教授(消化器外科)は「長期的な追跡調査を続けていけば、より地域の特性が見えてくる可能性がある」と指摘。県医療推進課は「全国と岡山で傾向に差があるがんについては、その理由を分析していく必要がある。罹患率が高いがんに重点を当てた取り組みも進めていきたい」としている。

(2019年03月17日 更新)

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