起立性調節障害の適切支援へ指針 岡山県教委が全校配布、HP公開

ODへの理解を促し、適切な対応につなげるためのガイドライン

 岡山県教委は、思春期の子どもを中心とした病気「起立性調節障害(OD)」が不登校の要因の一つになっているとして、教員や家庭向けの対応ガイドラインを作った。周囲の病気への理解を促し、医療機関の受診など適切な支援につなげる。

 ガイドラインはODについて、自律神経の不調が要因で、起き上がった際に体や脳への血流が低下する病気と説明。「怠けやサボりと誤解され、つらい思いをすることもある」として早期把握による治療や支援を求めている。

 周囲の対応に関しては、学校では午後の短時間登校や、別室など楽な姿勢で学習できる環境づくりといった配慮の必要性を明記。家庭では、体調改善のために水分を多めに取ることや早寝早起きを薦め、「まず(子どもの)つらい気持ちに寄り添い、一緒にできることを探してあげて」と呼び掛けている。

 自覚症状が確認できるODのチェックシートや、相談ができる県内の医療機関や相談窓口の一覧も載せた。

 県教委が2018年5月に立ち上げた医師や養護教諭らによる研究会がまとめた。A4判カラー、14ページ。3千冊を作製し、県内の全小中高校、特別支援学校などに配った。県教委生徒指導推進室のホームページでも見られる。

 日本小児心身医学会によると、軽症も含め、小学生の約5%、中学生の約10%がODと推計されている。

(2019年03月31日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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