県内ドナー登録者の高年齢化続く 40、50代が3年連続半数以上

県赤十字血液センターへ献血に訪れた人に骨髄ドナー登録への協力を呼び掛ける職員

 白血病など血液の病にかかる患者に、骨髄液や末梢(まっしょう)血幹細胞を提供する「ドナー登録者」の高年齢化が続いている。年齢制限の上限は54歳だが、岡山県内では3年連続で、40、50代が合わせて6割近くを占める。競泳女子の池江璃花子選手が白血病を公表した2月以降、登録者自体は増えており、関係者は若者への呼び掛けに力を入れていく方針だ。

 岡山県赤十字血液センター(岡山市北区いずみ町)によると、2018年度の県内のドナー登録者は8376人。このうち40、50代を合わせた割合は56・5%を占め、16年度(56・2%)、17年度(56・8%)に続いて6割に迫る水準となった。

 登録できるのは18~54歳の健康な人で、体重が男性45キロ以上、女性40キロ以上。55歳の誕生日を過ぎると自動的に抹消されるため、長期にわたって登録できる若者の確保が重要だが、18年度は10代が1・7%、20代は17・2%にとどまった。

 若者の登録が少ない理由について、ボランティアのドナー登録説明員を務めている「岡山・骨髄バンクを支援する会」の原田早苗代表は「教育現場での啓発が十分ではない」と指摘。骨髄移植について知る機会が少なく、「登録をためらう若者が多いのではないか」と話す。

 ただ、同センターと献血ルームももたろう(同表町)を合わせたドナー登録者は通常、月20人程度で推移しているのに対し、池江選手の公表翌日の2月13日から3月末までの約1カ月半では272人に上った。同センターは関心の高まりを受け、若者の登録拡大に向けて学内で献血できる大学の拡充や、教育現場への出前授業などを通してさらにアピールしていくという。

 骨髄移植は、患者とドナーの白血球の型が適合することが必要で、登録者の増加が命を救う鍵とされる。同センターは「登録者の高年齢化が慢性的な課題になりつつある。地道な活動を続け、助かる命を少しでも増やしたい」としている。

(2019年05月13日 更新)

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