日本運動器科学会・尾崎敏文学会長に聞く ロコモ予防 体動かして

尾崎敏文教授

 骨や筋肉、関節などの運動器が衰え、立ったり歩いたりする機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)」。日常生活に大きな支障を来さないために、どう予防すればよいのか。7月6、7日、岡山市で開かれる日本運動器科学会で学会長を務める岡山大大学院の尾崎敏文教授(整形外科)は、日頃から無理のない範囲で運動することを勧める。

 ―自分の運動器の状態をチェックするには。

 「ロコチェック」という簡単な方法がある。片足で立ったまま靴下をはけない▽階段を上るのに手すりが必要▽15分ぐらい続けて歩くことができない―など7項目のいずれか一つが当てはまればロコモの可能性がある。

 ―運動器を維持するにはどうすればよいか。

 ロコモーショントレーニング(ロコトレ)を勧めたい。膝を深く曲げないスクワットをゆっくり繰り返し、机や椅子に片手を置いて片足で立つ状態を維持する。毎日続けることが大切だが、運動器を今よりも衰えさせないことが目的なので、膝や腰に負担を掛けないよう、無理をせず行ってほしい。

 ―運動器に痛みがある人が注意すべきことは。

 がんによって痛みが生じている可能性もある。検診によって早期に原因を突き止め、悪化を防ぐことが重要。まずは整形外科を受診してほしい。

7月7日、市民公開講座

 「ロコモとがんロコモ」をテーマとした日本運動器科学会の市民公開講座が7月7日午後1時~3時、岡山市北区駅元町の岡山コンベンションセンターで開かれる。

 がんロコモは、がんやがん治療に伴って運動器に生じる障害で、立って歩く移動機能が低下した状態を指す。講座では、岡山大大学院の尾崎敏文教授が「がん時代の運動器医療」と題し、がんロコモ対策について話す。若手医師4人が運動機能の低下を防ぐための体操を披露する。

 無料。定員250人。申し込み不要。問い合わせは日本旅行コンベンショングループ(086―259―5578)。

(2019年06月26日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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