ロボット技術の患者治療を紹介 岡山で市民講座、有森さんも登壇

HALを使った機能改善治療などについて話す山海教授

 第22回日本臨床脳神経外科学会の市民公開講座が21日、岡山市内であり、筑波大大学院の山海嘉之教授と女子マラソン五輪メダリストの有森裕子さん=ともに同市出身=が講演。約400人が聴講した。

 山海教授は「サイバニクスで拓(ひら)く医療・福祉の未来」と題して、自ら開発したロボットスーツ「HAL(ハル)」を使った、身体機能を失った患者への治療について説明した。HALは患者が体を動かそうとする際に脳から出る信号を感知して動作を助けるが、治療を重ねるうち多くの患者で機能が回復し、欧米やアジアでも活用が広がっていると紹介。「人間を中心に据えた医療イノベーションを推進し、実用化する仕組みを整えたい」と述べた。

 有森さんは「二度とやってこない一瞬一瞬を精一杯いきること」のタイトルで「恩師らの言葉で夢をあきらめず頑張ってこられた」と話し、前向きな言葉でプラスの生き方ができると強調した。

 同学会は「地域包括ケアシステムの中での脳神経外科と多職種・他診療科との協業~心をひとつに~」のテーマで20日から始まり、初日は多様な講演会やシンポジウムなどがあった。

(2019年07月22日 更新)

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