マウスガードで運動競技力向上か 県歯科医師会と環太平洋大研究へ

歯科医師にマウスガードの調整をしてもらう学生たち=7月中旬、環太平洋大

 岡山県歯科医師会(岡山市北区石関町)と環太平洋大(同市東区瀬戸町観音寺)は、特殊な樹脂で歯を覆う「マウスガード」の装着がスポーツ選手の競技力向上につながるかどうかを調べる共同研究を9月にもスタートさせる。同大の女子ソフトボール部員約50人を対象に、ボールを投げたり打ったりした際の距離や速度などを比較し、効果を検証する。

 マウスガードは選手をけがから守る目的で使用される。一方、けがへの不安を軽減できたり、力を入れるために強くかみしめたりできることで運動能力がアップするといわれるが、「科学的な根拠は十分示されていない」(同会)という。

 研究では、最新鋭の機器を備えた同大のスポーツ科学研究施設を活用し、マウスガードを装着した場合としなかった場合でデータを集め、解析する。マウスガードを装着すると痛みが生じる人などの事例も検討し、解決方法を探る。

 同会の歯科医師が6月中旬から部員一人一人の歯の型を取ってマウスガードを作り、調整を続けている。夏休み明けから2年程度の研究期間を予定している。

 共同研究は、両者が3月、スポーツ歯学の研究・教育に関して締結した連携協定に基づき実施。同大の客員教授も務める県歯科医師会の東原慶和常務理事は「マウスガードの普及につながる研究にしたい」としている。

(2019年07月27日 更新)

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