病院で外国人に医療通訳支援 9月開始 福山でボランティア研修

実地研修で通訳者と患者役になり、診察の手続きをする参加者=福山市民病院

 病院の利用で日本語がうまく話せない外国人らを支援する「医療通訳ボランティア」が9月から、福山、尾道市、広島県神石高原町など県東部地域でスタートする。これまで手が行き届きにくかった医療現場でのサポートを行い、外国人が住みやすいまちを目指す狙い。20日は福山市内の病院でボランティアの実地研修が行われた。

 医療通訳ボランティアは、ひろしま国際センター(HIC、広島市)が2018年から始めた取り組み。英語、中国語、ベトナム語など5言語に対応しており、現在広島、廿日市の両市で導入されている。これまで、日本語の支援が必要な外国人は家族や友人、会社の通訳などに頼るケースが目立ったという。

 県東部地域にも支援を広げるため、HICは7月にボランティアを目指す人たち向けの養成講座を計4回実施。20日には福山市民病院(蔵王町)で実地研修を行い、英語、タガログ語が話せる7人が患者と通訳者役になって病院での受け付けや薬の受け取り、医師とのコミュニケーションなどを実践した。

 参加した福山市の女性(48)は14年ほど前にフィリピンから日本へ移住。「日本に来たばかりの頃は病院での言葉が分からず戸惑った。話せるタガログ語を生かし、役に立ちたい」と話した。

 医療機関がHICを通じて通訳の派遣を依頼する仕組みで、東部地域では29人がボランティアに登録。9月からしばらくは試験運用として様子を見る予定で、試験運用中のボランティアの交通費などはHICが負担する。HICは「日本語のサポートが必要な人たちがより安心して暮らせる環境を整えたい」としている。

(2019年08月24日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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