岡山県内で骨髄バンク調整役不足 ドナー登録急増で業務量が増加

ドナーと日程調整をするコーディネーターの河野さん

 白血病など血液疾患の治療に有効な骨髄移植で、骨髄を提供するドナーと患者、病院の間で連絡調整を担う日本骨髄バンク(東京)認定のコーディネーターが岡山県内で不足している。競泳女子の池江璃花子選手が白血病を公表してからドナー登録が急増し、県内でも3人のコーディネーターの業務量が増加。同バンクは10月から養成講座を開き、岡山を含めてなり手を広く募る。

 コーディネーターは、養成講座で移植に関する知識などを習得した人を同バンクが認定し、非常勤で業務を委嘱。医療に関する資格は必要なく、全国で約170人、県内では50代と60代の女性計3人が認定されている。ドナーやその家族と面談して提供意思を確認するほか、骨髄採取の日程を調整したり、ドナーが入院する際に付き添ったりする。

 同バンクによると、県内の新たなドナー登録者は、池江選手が白血病を公表した2月に219人と前月の約3倍に増加。ドナーとの面談も月10回程度から3月以降は毎月50回程度に増えている。

 月に20回近い面談をこなしているコーディネーターの河野順子さん(57)=岡山市中区=は「面談は1回3、4時間かかることがあるし、相手の都合に合わせて朝早くや夜遅くにも対応しないといけない。ドナーが急に増えると負担は重いが、移植を遅らせるわけにはいかない」と言う。

 同バンクは現在、コーディネーターが岡山、広島など20都道県で不足しているとし、岡山でも最低1人か2人は増やしたいという。

 同バンクには7月末現在、全国で約52万人がドナー登録し、年間約1200件の移植が行われている。河野さんは「責任が重いコーディネーターの仕事はやりがいも大きい。今回寄せられているたくさんの善意を生かすために1人でも多く関心を持ってもらいたい」と話している。

 10月からの養成講座の受講者募集

 日本骨髄バンクは、10月4日から来年3月にかけて開くコーディネーター養成講座の受講者を募集している。

 東京の本部や広島市の中四国地区事務局で講義を受けた後、受講者の近隣の病院でも研修がある。受講料は東京への交通費や宿泊費を除き無料。原則25歳以上の健康な人であれば応募可能で、履歴書のほか、応募動機を記した400字詰め原稿用紙1枚を提出する。9月6日必着。

 問い合わせは同バンク(03―5280―2200)。

(2019年08月28日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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