23自治体が不満、やや不満 再編議論必要な病院の公表

 厚生労働省が再編・統合の議論が必要と判断した公立・公的病院の名称を昨年9月に公表したことに関する共同通信の自治体アンケートで、岡山県内では県と27市町村のうち82%に上る23自治体が「不満」「やや不満」と答えた。住民に不安を与えたことへの反発や公表の判断基準に対する疑問の声が目立った。

 県は、県内五つの保健医療圏で将来必要な病床数などを示した「地域医療構想」を2016年に策定。実現に向けて圏域ごとに行政や医療関係者が調整会議を開いて議論を進めている中で、30の公立・公的病院のうち13病院が厚労省から再編・統合の対象として公表された。

 アンケートでは、公表について「不満」が16自治体、「やや不満」が7自治体。「住民から混乱や心配の声が出た」(玉野市)、「自治体への事前説明が全くされていない」(岡山市)などの意見があった。公表を「妥当」とした自治体はなく、県と和気町が「おおむね妥当」とした。

 「救急医療など9項目の診療実績が乏しい」「近くに類似の医療機関がある」とした公表の判断基準にも「不満」「やや不満」が計22自治体で79%。「住民の健診や疾病予防など採算にとらわれない医療提供を行っている」(美作市)、「急性期の医療機能をかなり評価し、地域の医療ニーズに合っていない」(井原市)などの意見があった。

 一方、病院の再編・統合を促す国の方針には「賛成」「どちらかといえば賛成」が岡山、玉野、笠岡市など計16自治体で過半数を占めた。「人口減による患者数の減少、医療職員の不足などを考えると国の方針通りと考える」(鏡野町)などと一定の理解を示す声が多かった。

 18年7月時点の県内の病床数は2万3403床。地域医療構想で掲げる25年の必要病床数(2万174床)に近づけることを「可能」としたのは5自治体。19自治体が「どちらともいえない」、4自治体は「困難」と答えた。「地域住民に必要とされている」(備前市)などが困難な理由として挙がった。

(2020年02月01日 更新)

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