神経とがらせる岡山県内の病院 院内感染防止に向け取り組み強化

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、入院患者への面会を原則禁止している岡山赤十字病院

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、岡山県内の病院が院内感染防止に向けた取り組みを強化している。入院患者への面会を制限したほか、発熱患者向けの待合を別に設けるなど神経をとがらせている。一方、県内で患者が発生した場合に備え、診療体制の一部見直しを検討している病院もある。

 岡山赤十字病院(岡山市北区青江)と岡山済生会総合病院(同国体町)は、国が2月下旬に医療機関に示した留意点を踏まえ、面会を原則禁止とし、やむを得ず必要な場合も発熱などの症状がない家族1人に限っている。

 岡山赤十字病院の守本堅事務部長は「不特定多数の人が面会に訪れると外部からの感染リスクが高まる。病院全体の安全を確保するには、訪問の回数や機会を減らしてもらう必要がある」と理解を求める。

 産婦人、小児科などの三宅医院(同市南区大福)は、面会は家族のみに制限。加えて、発熱を訴える外来患者向けの待合を急きょ別の場所に設けた。面会者に体温測定とマスク着用を義務付け、面会時間を10分程度に限定した落合病院(真庭市落合垂水)も、発熱を訴える人と他の受診者との院内での動線を分け、接触を防ぐよう徹底を図っている。

 国が感染拡大防止に向けて示した留意点では、面会に加えて出入り業者の制限、スタッフの手洗いやマスクの着用などを徹底するよう求めている。

 そうした中、光生病院(岡山市北区厚生町)は県内で患者が発生した場合の対応を検討。「発熱外来」を予約制に変更し、診察する患者と対応時間を限定することにした。一般受診者との入り口も完全に分けるといい、吉本静雄院長代理は「院内感染が起きれば診療を継続できない事態も想定される。スタッフも限られてはいるが、できる限りの準備はしたい」と話している。

(2020年03月11日 更新)

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