皮膚がん 長時間の紫外線に注意 荒川・川崎病院皮膚科部長に聞く

皮膚がんの説明をする荒川部長

 年齢とともに増える病気の一つに「皮膚がん」がある。中には命にかかわるものもあるが、内臓のがんと比べ、 腫瘍 ( しゅよう ) が目に見える場所にできるので、早期発見・治療が可能な疾患でもある。川崎病院(岡山市中山下)の荒川謙三皮膚科部長に代表的な症例と治療法を解説してもらった。12日は「皮膚の日」。

 荒川部長の統計によると、二〇〇〇年から〇七年末までの八年間に、川崎病院で治療した皮膚がんの症例は五百一例。「そのうち六割以上を占めるのが七十代と八十代。高齢化が進んでいく中で、お年寄りの皮膚がんは今後も急速に増えるだろう」と予想する。

 症例で最も多いのが、長時間紫外線を浴びることで細胞がダメージを受け、露出している顔面の一部などが赤く腫れる「日光角化症」(百六十九例)だ。「まだがんの前段階だが、放っておくと 有棘 ( ゆうきょく ) 細胞がんになってしまうので注意してほしい」と呼び掛ける。

 有棘細胞は表皮の下にあり、皮膚を作り出す重要な細胞だ。「日光角化症と違い、有棘細胞がんは内臓のがんと同じように他の部位に転移する。命にかかわるのでがんになる前に早期発見・治療が大切」と荒川部長。

 治療は、腫瘍部分を切り取り、周囲の皮膚を伸ばして傷口を美容的に形成していく外科手術が多くの症例で取り入れられている。

 荒川部長は「目に見える形でがんが分かるのが皮膚がん。少しでもおかしいと思ったら、すぐ専門医に相談を」と話している。

(2008年11月01日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

カテゴリー

関連病院

PAGE TOP