唾液によるPCR検査開始 岡山県 コロナ第2波備え態勢整備

患者が唾液を入れる専用容器の一例

 新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べるPCR検査について、岡山県は新たに、唾液による検査を県環境保健センター(岡山市南区内尾)で始めた。鼻の奥の粘液を採取して行う従来の方法に比べて簡易で、医療従事者の感染リスクも抑えられる。県は唾液の採取ができる病院や診療所を増やし、感染拡大の第2波に備える。

 現在は鼻の奥の粘液を医療従事者が綿棒で採取する方法が主流だが、患者のせきやくしゃみを誘発するなど医療従事者の感染リスクが懸念され、採取の際には防護服を着用するといった手間もかかる。一方、唾液は医療機関で患者が自ら専用容器に入れて提供するだけで済み、より多くの人の検査が可能になる。

 県は唾液による検査の普及を図るため、同センターで対応する旨を「新型コロナウイルス外来」のある県内40医療機関に通知。医療機関で医師が必要と判断した場合は、その場で患者の唾液を採取し、民間の検査会社に委託する仕組みも構築する方針で、今後、態勢を整える。

 従来の方法による検査を望む医療機関は、これまで通りとする。

 県健康推進課は「唾液による検査が普及すれば、実施数をさらに増やせるようになる。県民の不安解消に結び付けたい」としている。

 唾液によるPCR検査は、国が2日、症状が出て9日以内の人を対象に公的医療保険による実施を認めた。検査の一層の拡充に向け、加藤勝信厚生労働相は16日、無症状の人も対象にするよう検討を進める考えを示している。

(2020年06月17日 更新)

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