4月「外来患者減った」9割 県保険医協会調査、8割超が減収

 新型コロナウイルスの感染拡大によって4月の外来患者が前年同月に比べて減ったと感じている医療機関(歯科医院含む)は約9割に上ることが、県保険医協会の会員アンケートで分かった。保険診療収入が「減った」とする回答も8割を超えており、感染を恐れての受診控えが経営にダメージを与えている状況が浮かんだ。

 アンケートは新型コロナの影響を把握する狙いで実施。5月中旬に会員の医師568人と歯科医師398人にファクスで行い、それぞれ227人、83人が答えた。全体の回答率は32・1%。

 4月の外来患者の増減に関しては「減った」が89・0%に上り、内訳は医科87・7%、歯科92・8%。一方で「増えた」は2・3%にとどまり、それぞれ2・6%、1・2%だった。

 また、診療収入が「減った」としたのは83・5%に達し、医科84・1%、歯科81・9%。「増えた」は1・9%で、各1・3%、3・6%となった。

 診療収入が減った割合については、通常時に比べて「最大で3割」との回答が81・1%を占めた。次いで「3割超~5割」11・2%、「5割超~7割」1・5%―など。診療科別では、小児科と耳鼻咽喉科の診療所が「3割超~5割」の減収幅を選んだ割合が目立った。

 自由記述では、医科は「新患が減少した」「長期処方の希望が増えた」、歯科では「無断キャンセルの割合が増えた」「収入減が心配で金融機関に追加融資をお願いしようと考えている」といった意見があった。

 同協会の木村哲也理事長は「政府の緊急事態宣言は解除されたが、医療機関になるべく行かないという行動パターンが形成されつつある可能性もあり、以前のような状況にはそう簡単には戻らないのではないか」と懸念する。

 5月の状況についてもアンケートを行っており、その結果も踏まえて国に支援を要請する方針。木村秀仁理事(歯科部会長)は「会員はそれぞれが感染防止対策に取り組んでいる。必要な受診を控えることで症状を悪化させないでほしい」と話している。

(2020年06月17日 更新)

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