岡山旭東病院のコロナ対策 来院前にスマホで問診

来院前にスマホなどでAIの質問に答える問診システム。岡山旭東病院がCOVID―19対策で導入した

 岡山旭東病院(岡山市中区倉田)は、初診の患者が来院前に自分のスマートフォンなどを使って問診を済ませておくシステムを導入した。新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)―19)への対策として、患者と病院スタッフの接触機会を減らすと共に、感染の疑いのある患者を事前に把握し、適切な防護体制で診察できるようにした。

 同病院は今年1月、従来の手書きで記入する問診票を廃止し、専用タブレットを使ってAI(人工知能)の質問に答えるシステムに切り替えた。その後、COVID―19の大流行に伴い、システムを開発したUbie(ユビー)社(東京)がウェブ上で問診できるように機能を強化し、同病院も6月15日から運用を開始した。

 初診を希望する人はスマホで病院ホームページのQRコードを読み取るか、パソコンでリンクをクリックして来院前問診のページを表示する。「おなかが痛い」「熱が出た」などの症状を入力し、AIが提示する追加の質問に答えたり、体の絵図で痛む部位をタッチしたりして、数分間で問診が終了する。

 受診時に受付で来院前問診で発行された番号を示せば、病院のカルテに反映され、すぐに診察待ちに移れる。AIがCOVID―19を疑う症状だと判断した場合は医療者の端末に警告が送られ、他の患者と動線を分けて案内し、防護服を着用するなどの措置を取る。

 事務作業が減り、患者の院内滞在時間の短縮も見込める。岡山旭東病院で専用タブレット導入の前後を比較すると、初診受付から会計終了までの所要時間は21分短くなり、平均168分になった。

 始業時は多くの初診患者が訪れて5台の専用タブレットが埋まってしまう時もあり、情報システム室の榊原祥裕室長は「来院前問診を利用してもらえばタブレットの空き待ちもなくなり、さらに滞在時間を縮められるだろう」と話す。

 AI問診は全国約200の医療機関が採用しており、岡山県内では倉敷中央病院(倉敷市美和)も一般内科の初診で専用タブレットを導入している。他にも導入を準備している医療機関がある。

(2020年07月07日 更新)

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