対コロナで岡山市内7病院が連携 院長らがウェブ会議で情報共有

週1回のペースで開催されている対策協議会。ウェブ会議で病院長らが意見を出し合う=7月15日、岡山大病院

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)など同市内の七つの総合病院が「新型コロナウイルス対策協議会」を立ち上げ、連携して活動している。病院長によるウェブ会議を定期的に開き、感染者の受け入れ調整を進めるほか、休日のPCR検査態勢を構築するなど、協力して医療水準の維持に努めている。

 「一度は緩めた面会制限を厳しくした方がいいだろうか」「岡山も決して安全とは言えない状況だ」。7月中旬に開かれたウェブ会議では、県内での感染者急増を受け、各病院長がテレビ画面を通じて活発に意見交換した。

 協議会は岡山大病院の金澤右病院長の呼び掛けで4月に発足した。7病院に加え、オブザーバーとして倉敷中央病院(倉敷市美和)など県内3病院と県、岡山市保健所が参加する。

 週1回のウェブ会議は、7月末までの4カ月間で計17回開いた。専用病床の整備状況を報告し合い、受け入れ調整を図っているほか、抗インフルエンザ薬アビガン投与後の経過など治療に関する情報を共有。職員の県外出張禁止や病院玄関での検温といった院内感染防止策も議論し、対応に反映している。

 岡山市保健所の依頼で行う休日のPCR検査では、病院ごとにスタッフを待機させていたが、負担軽減のため当番制を導入した。不足しがちなガウンやマスクといった個人防護具を融通し合うといった呼び掛けも行っているという。

 県内では岡山市内で感染者が連日報告されるなど、状況は再び緊迫している。金澤病院長は「これだけの規模での病院連携は全国的にも珍しく、診療現場同士のネットワークも生まれている。感染状況から診断、治療まで全体像を把握しながら、効果的な医療を提供していきたい」と話している。

(2020年08月03日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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