マダニ感染症多発 肌の露出避けて 岡山県内の患者、過去最多4人

SFTSの原因となるウイルスを媒介するマダニ(県環境保健センター提供)

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)を発症した岡山県内の患者が今年4人となり、過去最多を更新したことが、県のまとめで分かった。ダニ媒介の感染症患者は増加傾向にあり、これから涼しくなって野山に入る機会も増すことから、県は肌の露出を避けるといった対策の徹底を呼び掛けている。

 県健康推進課によると、SFTSの患者は2013年に県内で初めて確認され、年間患者数は19年の3人が最多だった。今年(8月末現在)は5月に50代女性、7月に70代女性、8月に70代の男女2人の計4人が感染している。

 マダニ媒介の感染症には「日本紅斑熱」もある。今年の県内の患者は60~80代の男女7人で、09年の県内初確認以降、17年と並んで過去最多タイとなっている。この他、ダニの一種ツツガムシの幼虫による「ツツガムシ病」も1人が感染した。

 いずれも発熱や倦怠(けんたい)感といった症状が現れ、重症化すると死に至ることもあるという。

 県はホームページやちらしなどで、山や草むらでの野外活動の際は、手袋や長袖、長ズボンを着用するといった対策を紹介。刺された場合の対処法として、県健康推進課は「無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚内に残る可能性がある。病院で取ってもらってほしい」としている。

(2020年09月10日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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