岡山、倉敷 大規模クラスター次々 縫製工場や高齢者施設

縫製工場での大規模クラスターなどについて記者会見で説明する大森岡山市長(中央)

 岡山県内の新型コロナウイルス感染者が過去最多の111人となった20日、岡山、倉敷市では大規模クラスター(感染者集団)が相次いだ。2カ所でともに累計50人を超え両市は2次、3次感染への警戒を強めている。

 岡山市東区西大寺中野の縫製工場「サイ」は従業員の感染が累計72人に達し、県内最大のクラスターとなった。市が行った全従業員約290人へのPCR検査では、陽性率が2割を超えた。同社によると外国人従業員らが寮で共同生活を送っているという。

 記者会見した大森雅夫市長は「職場での感染対策の再点検をお願いしたい。軽い症状でも医療機関を受診してほしい」。同工場で陰性だった人も改めて検査し、封じ込めに全力を挙げる考えを示した。

 市は工場名を伏せていたが公表に転じた。大森市長は接触者調査が相当数に上るとの見通しを示し「感染拡大防止のため」と説明。接触者に受診相談センター(086―803―1360)への連絡を求めた。

 同社は電話取材に「感染対策はしていたが、食事などでリスクがあったかもしれない」とした。工場は来年1月4日まで操業を停止し、従業員を自宅待機にしているという。

 感染者が51人となった倉敷市粒江の社会福祉法人「純晴会」は、同じ敷地で特別養護老人ホーム・浮洲園など複数施設を運営。利用者は認知症などでマスク着用が難しい人もいたという。高齢でも無症状者が多く、吉岡明彦保健所長は記者会見で「感染の認識がないまま広がったのではないか。どの施設でも起こる恐れがある」と注意を促した。

 同法人はデイサービスとショートステイを当面中止する。電話取材に「これ以上感染が広がらないよう、対策を講じる」とした。

(2020年12月20日 更新)

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