岡山県 高止まり続く病床使用率 一般医療に影響波及

 新型コロナウイルスの累計感染者数が2千人を超えた岡山県。流行「第3波」が押し寄せた昨秋以降、その数は右肩上がりに増加し、病床使用率は高止まりが続く。政府が求めた“静かな年末年始”の効果も薄く、医療の逼迫(ひっぱく)度は確実に高まっている。

 県内で感染者が千人に到達したのは昨年12月20日で、同3月22日の初確認から9カ月を要した。そこから2千人まではわずか26日しかたっておらず、感染拡大のペースは急激に加速。特に年末年始は岡山、倉敷市の接待を伴う飲食店などでクラスターが続発したほか、家族・親族間での会食を通じた感染も相次ぎ、12月27日から今月9日までの2週間だけで530人もの陽性が判明した。

 感染者増に伴い、11月以降、30%前後で推移していた病床使用率は12月になって50%近くまで上昇。県が受け入れ病床を増やしたことで再び30%台に戻ったが、直近1週間(今月7~13日)は36・9%と前週より1・5ポイント上がった。重症者用病床に絞ると使用率は45・9%に達し、前週を21・6ポイントも上回っている。

 医療現場への負荷も増しており、県保健福祉部によると、県内の医療機関では手術を延期したり、救急対応が難しくなったりと、新型コロナ以外の一般医療に影響が及び始めている。

 これまでの感染者を居住地別に見ると、岡山市(983人)と倉敷市(555人)で全体の8割近くを占める。年代別では、多い順に20代425人、40代277人、30代260人、50代259人、70代192人―などとなっており、感染は幅広い世代で拡大。41例のクラスターが発生している一方、感染経路不明の感染者も目立っている。

(2021年01月15日 更新)

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