(6)就労 30万人が治療と両立

 働きながら通院しているがん患者は30万人以上いるという。早期発見や治療法の改善が進み、がんの部位や進行度合いで個人差はあるものの、治療しながら働いている人は増えている。

 しかし、治療と仕事の両立には困難が伴っている。定期的な通院が必要だったり、副作用で体調に不安を抱えたりしている場合が多くあるうえ、負担軽減につながるような柔軟な勤務環境が普及しているとは言えないからだ。

 岡山県は17年度、20歳以上のがん患者を対象に「就労・療養に関するアンケート調査」を実施した。診断後の就労の変化を聞くと、自営業者は20%が休業、15%が事業縮小、13・7%が廃業したという。自営業以外の、会社員や公務員などでは16%が依願退職、15・2%が休職、解雇と希望していない異動がいずれも1%だった。

 また、がんと診断された患者本人の年収は、診断前平均が363万円だったが、診断後は279万円に減少している。

(2021年02月01日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

タグ

PAGE TOP