1型糖尿病 理解して プロ野球元阪神・岩田さん、岡山で訴え

1型糖尿病への理解を訴える岩田さん

 1型糖尿病を抱えながらプロ野球・阪神の投手として活躍した岩田稔さん(39)が9月24日、岡山コンベンションセンター(岡山市北区駅元町)で開かれた「日本糖尿病教育・看護学会学術集会」に招かれ、自身が取り組んでいる病気への啓発活動や患者の権利擁護について話した。

 岩田さんは高校2年の時に1型糖尿病を発症。生活習慣とは無関係であるにもかかわらず、病気を理由に企業の内定を取り消され、関西大を経てプロへ進んだ。「企業を見返してやろうと必死で練習をし、プロに入り同じ病気を持つ人の希望の星になろうと思った」と振り返った。

 現役時代は1勝につき10万円を「1型糖尿病研究基金」に寄付。患者や家族を阪神甲子園球場に招待していた。引退後は会社を興して1型糖尿病の子どもと交流したり、講演活動を行ったりしている。「全国の子どもたちに会って悩みを聞いたりしている。子どもは気持ちが楽になるだろうし、こちらも励まされる」と話した。

 日本糖尿病協会などは糖尿病への負のイメージをなくそうと、病名の変更を検討している。岩田さんは「どういう名前なら世間に浸透するのかを議論していくべきだし、変更の過程を通じて病気に対する社会の理解が深まってほしい」と述べた。

(2023年10月02日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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