岡山県内 プール熱流行が急拡大 県が手洗いなど対応呼びかけ

 子どもを中心に発熱や喉、目の痛みを引き起こす咽頭結膜熱(プール熱)の流行が岡山県内で急拡大している。直近1週間(13~19日)の定点医療機関当たりの患者報告数は3・06人と統計が残る1999年以降で最多となり、初めて国の警報基準(3人)を超えた。例年は夏場に流行することから異例の状況となっており、県が24日からホームページなどを通じて注意を呼びかけている。

 プール熱は全国で流行しており、県内54カ所の小児科の定点観測でも、1医療機関当たりの患者報告数が10月中旬から5週連続で増え、2週前(10月30日~11月5日)が1・85人、前週(6~12日)が2・87人と急拡大。直近1週間の保健所別は岡山市4・14人、倉敷市3・73人、美作3・50人などで、乳幼児が8割を占めた。

 原因となるアデノウイルスは感染力が強く、くしゃみなどの飛沫(ひまつ)感染のほか、タオルの共用といった接触感染でも広がる。学校保健安全法で出席停止の感染症に指定されている。ほとんどが3~5日程度で自然に治るとされる。

 今回の流行について、子どもの感染症に詳しい川崎医科大の中野貴司教授は「新型コロナウイルス禍の感染対策でさまざま感染症の流行が抑えられたため、免疫のない人が増えたことが影響している」と指摘。今年5月の5類移行に伴い、人々の行動が活発になったことも一因という。

 アデノウイルスはアルコール消毒が効きにくいとされるだけに、県健康推進課は「石けんと流水による手洗いや咳エチケット、感染者が触れた場所をよく拭くといった対応を心がけてほしい」と呼びかけている。

(2023年11月24日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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