ホルミウム・ヤグレーザーによる泌尿器科治療

 ホルミウム・ヤグレーザーとは、前立腺肥大症の内視鏡手術や尿路結石破砕に用いる治療用レーザー装置です。強力な破砕力を持つと同時に組織への熱侵襲が極めて少ないため治療部位以外への損傷を抑える事ができます。

 前立腺肥大症に対してのホルミウムレーザーによる前立腺手術はHoLEPと呼ばれ、内視鏡の先についたレーザーメスで肥大した前立腺腺腫を核出していく手術です。これまで主流な手術であった経尿道的前立腺切除術(TURP)よりも出血、術後の疼痛が少なく、安全に行うことができます。また100mlを超える前立腺に対しても施行可能であり、腺腫を確実に核出するという手術方法で、再発が少なくサイズに関係なく治療できるというメリットがあります。また出血も少ないため、最近増加している心筋梗塞や脳梗塞後に抗凝固剤を内服されている方でも可能な限り抗凝固剤を休薬せず行えます。当院では約5~7日間の入院で全身麻酔あるいは腰椎麻酔下に行います。

 結石治療ではこれにより尿管に内視鏡を挿入し尿管結石を直接破砕する経尿道的結石破砕術(TUL)が飛躍的に発展し、尿管に挿入する尿管鏡はさらに細く、尿管の走行によってはとどかなかった腎臓付近の上部尿管まで治療が安全に出来ます。

 TUL技術が発達したことにより、ESWL単独では完全に破砕・摘出することが困難な結石も、TULとの組み合わせによって安全に破砕・摘出することが可能です。
(2013年9月18日掲載)

→医療人一覧に戻る

(2015年10月19日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

医療人情報

  • 泌尿器科部長  橋本 英昭
    兵庫県立姫路西高、岡山大医学部卒。国立岩国病院、広島市民病院などに勤務後、岡山大病院泌尿器科助手。川崎病院勤務を経て2007年から岡山中央病院勤務、2012年4月から現職

関連病院

PAGE TOP