まび記念病院が外来診療を再開 2階を活用、診療10科目対応

病棟での外来診療を再開したまび記念病院

浸水被害に遭った病棟。1階ロビーにはいすや机、観葉植物などが散乱していた=7月9日

 西日本豪雨で大規模な浸水被害を受け、仮設施設での簡易診療を続けていた「まび記念病院」(倉敷市真備町川辺)が18日、病棟での外来診療を再開させた。当面は4階建ての病棟のうち、被災を免れ、使用のめどが立った2階を活用し、診療を10科目まで拡充して対応する。10月中に人工透析治療、年内にも入院患者の受け入れを始め、来年2月の完全復旧を目指す。

 同病院は地域の中核病院として、長年にわたり多くの患者の診療に当たってきた。ただ、7月の豪雨で1階が水没。患者や職員、周辺住民ら約300人が孤立し、ヘリコプターやボートで救助された。甚大な被害にも住民の医療ニーズに対応するため、7月18日に健康診断用車両で診療を再開し、同30日から病院敷地内の仮設コンテナで内科、外科、小児科の診療を続けてきた。

 病棟の使用により、被災前の全15科目のうち内科、外科、小児科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、胃腸科、放射線科、呼吸器内科、循環器内科の10科目までの診療が可能に。診察室は仮設より1室増やして3室とし、血液、尿などの検査室や処置室、患者用の待合スペースを確保。水没で使えなくなった血液検査機器などを新たに購入したほか、院内で電子カルテも使えるようにした。診察時間は午前9時~正午、午後3時~6時(土曜午後と日曜祝日は休診)。

 初日は朝から大勢の患者が受診に訪れ、血圧の薬を処方された女性(84)=同市真備町=は「かかりつけの病院なので本当に心強い。仮設より広い上、体の調子が悪くなった際にちゃんと検査してもらえるので安心」と話していた。

 村松友義院長は「提供できる医療のレベルを徐々に戻していき、地域住民の健康をしっかりと守れる環境を整えたい」としている。

(2018年09月18日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

カテゴリー

PAGE TOP