岡山で認知症ケア話し合うシンポ 設立20周年で家族の会県支部

今後の活動の在り方などについて意見を交わした「認知症の人と家族の会県支部」の設立20周年記念シンポジウム

 認知症の人と家族の会岡山県支部(尾崎善規代表、約330人)は22日、岡山市北区南方のきらめきプラザで、設立20周年の記念シンポジウムを開いた。これまでの歩みを振り返るとともに、認知症の人の立場に立ったケアの普及や家族の負担軽減に向けた取り組みの強化を誓った。

 会員ら約190人が参加。同支部を当初から支援してきた「きのこエスポアール病院」(笠岡市)の佐々木健理事長と設立時の会員ら6人が意見を交わした。

 同支部は「呆(ぼ)け老人を抱える家族の会」(本部・京都市)の支部として1998年7月に発足、2006年に今の名称となった。岡山、倉敷、笠岡市で毎月、家族のつどいを開催。当時は病院や施設ごとにしか家族の会がなく、「みんな集まると泣きながら体験を話し、帰る時は笑顔になっていた」と中心メンバーの妻井令三顧問は振り返った。

 同支部は介護職員の指導者を養成する研修に講師を派遣するなどケアの質向上にも取り組んできた。施設の居室を個室にし、家庭的な雰囲気で関わる「ユニットケア」を先駆的に進めてきた佐々木理事長は「認知症の人の言葉にもっと耳を傾け、本人が望むことをケアに生かさねばならない」と訴えた。

 同支部はこの20年で、社会福祉士らが対応する電話相談事業、若年性認知症の人と介護者のつどい開催など活動の幅を広げてきた。尾崎代表は「介護する家族の悩みは変わっていない。介護を終えた先輩会員たちが相談を受ける新たな取り組みもしたい」と述べた。

(2018年09月22日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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