風疹流行 4年ぶりに患者報告 県内、抗体検査や予防接種を

妻の妊娠を機に予防接種を受ける男性(右)

 7月下旬から首都圏を中心に風疹が流行し、岡山県内でも今月に入って患者が4年ぶりに報告された。そんな中、懸念されるのが、妊娠初期の女性への感染だ。胎児に障害が残る先天性風疹症候群(CRS)になるリスクがあるなど影響は大きい。専門家は身近に妊婦がいる人に対し、抗体検査や予防接種の早期実施を呼び掛けている。

 風疹はくしゃみやせきで広がり、感染力が高い。家庭や職場に限らず、公共の場や人混みでも感染する可能性がある。

 国立感染症研究所によると、今年の患者は計496人(9日現在)で、昨年1年間(93人)の5倍に達している。7月下旬から増加し、1週間ごとの患者の推移では、9月3~9日が127人と最も多く、今年初めて100人を超えた。都道府県別では東京が146人と最多で、千葉122人、神奈川54人と続く。30~50代の男性が目立つという。

 県内では、全国的に流行した2013年は計76人と多かったが、14年は2人、15~17年はゼロだった。今年は25日現在、患者は2人(20、40代の男性)となっている。

 予防接種を受け抗体があれば感染しにくいが、年代によっては定期接種の対象になったり、外れたりしている。特に30~40代の男性は十分な抗体がないケースが目立つため、家族や周囲に妊婦がいる場合は注意が必要だ。妊娠初期にかかると、赤ちゃんが難聴や心臓病、白内障になる恐れがある。

 川崎医科大の下屋浩一郎教授(産婦人科)は「過去に予防接種を受けていても1回だけなら抗体ができていない可能性もある。妊娠を考えている女性や妊婦が身近にいる人は、母子手帳などで接種歴を確認し、必要に応じて抗体検査や予防接種を受けてほしい」と話している。

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 岡山県、岡山、倉敷市は無料抗体検査を実施している。対象は、妊娠を希望する女性とその同居者、抗体が低い妊婦の同居者。1歳未満や過去に抗体検査や予防接種を受けた人、既往歴がある人は除く。問い合わせは県健康推進課(086―226―7331)。

(2018年09月25日 更新)

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