西日本豪雨での災害医療教訓報告 岡山で医療マネジメント学会支部

西日本豪雨時の医療について報告する医師ら

 岡山県内の医療関係者でつくる日本医療マネジメント学会県支部の学術集会が29日、岡山市内であった。特別企画「西日本豪雨災害対応の振り返り」として、災害医療について報告があった。

 岡山大大学院災害医療マネジメント学講座の中尾博之教授を座長に、総社市と倉敷市真備町地区をエリアとする吉備医師会の医師3人が豪雨災害を踏まえた教訓などを話した。

 高杉こどもクリニック(総社市)の高杉尚志院長は、同町地区で大半の医療機関が診療不能になる中、国際医療ボランティア「AMDA」(岡山市)の支援を受け、地元の医師らが移動健診車などを使って診療を再開した経緯を紹介。「医療関係者同士が日頃から連携する重要性を痛感した」と語った。

 森下病院(総社市)の森下紀夫院長は同町地区の消防署の車が浸水し、消防団の車で患者が運ばれてきたことなど当時の緊迫した状況を説明。あさのクリニック(同)の浅野直院長は「普段から災害対策について地域の人と共に考える機会をつくりたい」と述べた。

 学術集会は医師や看護師ら約330人が参加。少子高齢社会の医療をテーマにしたシンポジウムも行われた。

(2018年09月29日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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