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まび記念病院が全面再開 7カ月ぶり「復興支える先頭に」

診療を終えた患者には「門出」の花言葉を持つスイートピーが配られた

 西日本豪雨で浸水被害を受けた倉敷市真備町地区の中核医療機関「まび記念病院」(同町川辺)が1日、約7カ月ぶりに全業務を再開させた。水没した1階部分を修復し、必要な検査機器もそろえて14診療科体制を整備。初日から地元の患者らが次々と訪れた。

 同病院は昨年7月の豪雨で一時機能を喪失した。同月中に屋外仮設施設で簡易診療を始め、9月には病棟2階で11科目の外来を再開。12月からは再び患者の入院にも対応するなど、早期復旧に努めてきた。

 今後はこれまでの内科、外科、小児科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、胃腸科、放射線科、呼吸器内科、循環器内科、人工透析内科に、リウマチ科、眼科、リハビリテーション科を加えた14科で診療。病床数を40から元の80に戻し、現在約30人いる入院患者の受け入れを増やしていく。

 初日は午前8時半の受け付け開始に合わせて大勢の患者が訪れ、リニューアルした1階待合スペースで診察の順番を待った。診療後には職員から「門出」の花言葉を持つ市特産スイートピーが配られた。女性(87)は「体をしっかりケアしてもらえる環境が整って安心。見事に復旧した様子を見て前向きになれた」と話した。

 村上和春理事長は「職員一丸で充実した医療を提供し、復興を支える先頭に立ちたい」と力を込めた。

 市保健所によると、同町地区では11の病院・診療所が被災。1日正午現在、仮設診療を含め業務を再開したのはまび記念病院など6施設に上り、3施設が休業中。1施設は同町地区外へ移転し、残り1施設は廃業した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年02月01日 更新)

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