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岡山県内で骨髄ドナー登録が急増 池江選手の白血病公表がきっかけ

ドナー登録のため、採血を受ける希望者=15日、岡山県赤十字血液センター

 競泳女子の池江璃花子選手が血液のがん「白血病」を公表したのをきっかけに、治療法の一つである骨髄移植への関心が高まっている。岡山県赤十字血液センター(岡山市北区いずみ町)と献血ルームももたろう(同表町)では、患者に骨髄液や末梢(まっしょう)血幹細胞を提供するドナー登録が急増し、通常は月20件程度だが、公表翌日の13日から15日の3日間で39件に上った。

 「誰かのために、自分が役立つ可能性があるなら」。14日、県赤十字血液センターを訪れた倉敷市の女性(47)はドナー登録した理由をこう語った。15日に登録を済ませた岡山市の男性会社員(34)は「自分や家族に移植が必要になったら、誰かに助けてほしい。同じ思いをする人が多くいるはずなので、ドナーになって貢献したい」と話す。

 両施設には問い合わせの電話やメールもあり、「登録方法を知りたい」「以前登録したが、今も有効か」など3日間で計18件。同センターの担当者は「多くの人に関心を持っていただき、ありがたい」と言う。

 登録できるのは18~54歳の健康な人で、体重が男性45キロ以上、女性40キロ以上。県内では月1、2回の頻度で8保健所・支所でも受け付け、申込時に白血球の型を調べる採血を行う。

 日本骨髄バンク(東京)によると、1月末現在、全国の移植希望者2895人(県内23人)に対し、ドナーは約49万人(同約8千人)。県内では毎年20人程度のドナーから移植が行われている。

 提供には患者とドナーの白血球の型の適合が必要で、登録者を増やすことが重要といわれる。当事者や遺族らでつくる「岡山・骨髄バンクを支援する会」の原田早苗代表=岡山市=は「善意の輪が広がれば」と期待する。

 ただ、骨髄液の採取は入院が必要で、全身麻酔で行う。採取後に発熱を伴う人もいる。日常生活への復帰まで1週間程度かかるといった負担もあり、県赤十字血液センターは「登録は十分考えた上で判断してほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年02月16日 更新)

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