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臓器移植の意義に理解深める 推進月間に向け、県などが講座

臓器移植の現状や意義について理解を深めた講座

 10月の臓器移植普及推進月間に向け、岡山県や県臓器バンクなどは23日、「臓器移植のいま “自分らしく”を伝える意思表示」と題した講座を岡山市内で開催。市民ら約50人が医師らの講演を通じて移植医療の現状や意義について理解を深めた。

 本人が生前に拒否していない限り、家族の承諾で脳死による臓器提供が認められる現行法について、同バンクの安田和広・臓器移植コーディネーター(51)が解説。生前の意思が不明で家族が提供に踏み切れないケースも少なくないとし、「救える命が失われていく現実があることを踏まえ、日頃から家族で話し合う機会を設けて」と呼び掛けた。

 医師の田中信一郎・同バンク理事長(70)は、「終活」の一環で臓器提供の可否を検討することを提案。「本人の意思が明確であれば家族の負担は軽くなる。最期、要望に沿ってもらうことは自身の尊厳を守ることにもつながる」と強調した。

 30代で腎臓移植を受けた県内女性(59)も登壇した。急性腎不全で妊娠が困難となったものの、移植を機に念願の子どもをもうけることができたと振り返り、「一度失った夢や希望を再びもたらしてくれた。ドナーへの感謝を忘れず、充実した人生を送りたい」と語った。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年09月23日 更新)

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