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27 屋内の安全 乳幼児の視点で環境点検

 子どもの誕生を機に屋内の環境を整備したいと考えていますが、具体的にどのような点に注意すればいいでしょうか。最近は、屋内でも乳幼児の事故が多いようですので、大変心配です。予防対策についても教えてください。

   ◇   ◇

 現在の住居は大人の環境や快適性を基に作られていることが多いです。そのため、子どもの視点で屋内を点検しておくことが重要です。今回は乳児期、幼児期の子どもたちを中心に注意点を挙げてみたいと思います。

 【居間】つまずきの原因となる敷物、じゅうたんに穴などがないか確認を。カーテンの巻きひも、ブラインドの引きひもも巻き上げておく。

 【家具など】観葉植物は、手の届かない所に。アレルギーの原因にもなるので注意。たばこの片付けは確実に。しかも、屋内では禁煙を徹底する。

 【おもちゃ類】とがった角や、薄くて固いプラスチックでできていない物を選ぶ。絵の具やクレヨンは毒性のない物を。液漏れの心配のある乾電池は処分を。特にボタン型電池は誤食しやすいので目に触れないように。口に入る大きさのものは置かないこと。

 【ストーブやファンヒーター類】マッチやライターは子どもの手の届く、目に付くところに置かない。電気ストーブにも囲いが必要。ポット類はやけどを防ぐため手の届かない所に。

 【電気関係】コード類は整理整頓が大切。コンセント類は覆うか、プラスチック製の安全カバーをつけるなどして直接触れないように。

 【寝室】ベビーベッドは、よじ登って転落しないように十分な柵の高さのものを選ぶ。子どもがお座りをするようになると、よじ登りを防ぐためベッド柵の内カバーを取り外す。

 【着替えの場所】着替え中の落下物を予防するため、頭上にはものを置かない。

 【扉】ぶつかってガラスが割れても飛び散らないように安全フイルムを張る。また、子どもの目にも分かるようにガラスにはステッカーも。

 【ホールと階段】三歳以上になるまでは階段を上手に降りられない。そのため、階段の上と下に柵の取り付けを。

 【台所】一緒に過ごす時間が長い場所。しかも調理などで使う危険物が多いので、整理整頓と物入れのドアはしっかり、固く閉める。

 【床】家事中は、床回りで遊ばさないように。水などがこぼれた床はすぐにふき取り、滑るのを予防する。

 【ごみ箱】切り口の鋭いものは避ける。遊ばないように、開けたりひっくり返したりできないものを選ぶ。

 【風呂場】浴室はドアを常に閉めておく、また一人では絶対に入れないようにする。ドアの鍵が子どもの高さではなくて、それよりも高い位置につけるなどの配慮が必要。床には滑らないマットを。

 【戸棚や物入れ】洗剤をはじめ漂白剤など危険物が多いので、保管は乳幼児の手の届かないところに。

 【洗濯機】常にふたをしめておくこと。のぞき込んで落ちる危険があるので使用後は水を張った状態にしない。

 【おわりに】乳児や幼児は、関心や行動が極めて旺盛。大人が、まさかと考えることに興味を持ったり、挑戦したりします。転ばぬ先のつえ、これを機会に屋内環境を今一度、点検してみてはいかがでしょうか。

 (山内芳忠・岡山医療センター臨床研究部長)

 =おわり
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年06月17日 更新)

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