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ヨーグルトが花粉症改善? 抗体減少、動物で確認 南岡山医療センター ヒト臨床試験へ

岡田千春診療部長

 国立病院機構南岡山医療センター(早島町)は来年一月から、ヨーグルトを使って花粉症の改善効果を確かめるヒト臨床試験を実施する。特定の乳酸菌が、原因となる抗体を減少させることを動物で確認しているが、ヒトへの効果を示す科学的データはほとんどなく、結果が注目される。

 花粉症患者五十人を無作為に抽出。乳製品製造の「オハヨー乳業」(岡山市神下)が開発した乳酸菌「L―55」で作ったヨーグルトを食べるグループと、通常のヨーグルトを食べるグループに分け、それぞれ一日一回計三カ月間摂取する。

 期間中三~四回、血液検査を行い、症状を引き起こす抗体の量を測定し比較するほか、くしゃみや鼻水などの症状も見る。試験は南岡山医療センター倫理委員会が承認。アレルギー科の岡田千春第一診療部長らのグループが担当する。

 L―55の効果は、共同研究した岡山大などが動物実験で確認。花粉症を起こさせたマウスに一カ月投与すると、投与しないマウスと比べ抗体が半分に減少したほか、くしゃみや鼻をかく頻度も半数程度になったという。

 岡田部長は「ヨーグルトの抗アレルギー作用が言われているが、学会では臨床的に実証したデータを見たことがない。効果が証明されれば画期的」としている。

 南岡山医療センターは臨床試験への参加者を先着順で若干名募集する。スギ花粉が飛散する春ごろに症状が現れる人で、現在薬を服用していないことなどが条件。希望者は十三、十四日午前九時~午後五時に、治験管理室までファクス(086―483―0055)で応募する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年12月13日 更新)

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