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コロナ同時流行備えインフル予防 県内23市町村 無料化や助成

インフルエンザワクチンの接種を受ける高齢者=青木内科小児科医院

 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備え、岡山県内でも1日からインフルエンザワクチン接種が始まった。医療現場の混乱回避などに向け、各自治体では接種費用の無料化や一部を助成する動きが広がり、県をはじめ、全27市町村のうち23市町村が実施。一方、国民全員分のワクチンが確保されているわけではなく、県は感染すれば重症化の恐れがある65歳以上の高齢者らが優先して受けられるよう協力を呼び掛けている。

 青木内科小児科医院(岡山市南区大福)では午前から、高齢者らが予防接種のため次々と来院。女性(72)=同市北区=は「孫たちにうつすわけにはいかない。すぐに接種できほっとした」と話した。

 国によると、ワクチンの確保見込みは約6300万人分で、1日からは高齢者や60~64歳で心臓や呼吸器の機能に障害がある人を優先。これ以外の人の接種開始は26日とするが、優先順に法的な強制力はない。医療機関などで対応が異なる可能性があるといい、県健康推進課は「重症化リスクが高い人に確実に届くよう、理解と協力を」とする。

 発熱やせきなど症状が似ているため、患者を判別しにくいインフルと新型コロナ。インフルの流行を抑え込み、医療現場の負担を少しでも減らそうと、県は生後半年から小学生の子どもが受ける予防接種費用を全額負担することを決定。県は補助対象を年内の接種としていることから、高梁市や奈義町など5市町は無料化の期間を1~3カ月、独自に延長する。

 最も手厚いのは鏡野町で全町民を無料化の対象に。岡山、倉敷市など10市町は、法律に基づく「定期接種」の対象となっている65歳以上の高齢者や60歳以上で心臓や呼吸器に持病がある人の接種費用を全額補助。備前、浅口市などは無料対象を高校生相当まで、吉備中央町などは中学生までとした。

 津山、新見市、新庄村など5市村は費用の一部を新たに助成する事業を行っている。

 総社市は中学生の無料化を検討するが、担当者は「ワクチン供給が不安定。補助を拡充するかどうか、11月まで状況を見極めたい」と説明する。

 接種期限は大半が来年1~3月末だが、県と各市町村の補助対象や期間が重なる場合は県の補助が優先する。原則として定期接種は県内、その他は各医師会の管内の協力医療機関で受け付ける。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年10月02日 更新)

タグ: 感染症

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