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がん治療薬選択に新解析法を導入 岡山大病院 遺伝子変異を高精度で

岡山大病院

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は12月1日から、がん患者の遺伝子変異を解析し、治療薬の選択に役立てる「遺伝子パネル検査」で、米国で開発された高精度の方式を試験導入する。1度に調べられる遺伝子数は523種類で国内最多級という。2022年4月30日まで。

 この方式は「TSO500」。公的医療保険の対象ではないため、将来の適用に向けた評価を行う国の「先進医療」の枠組みを活用。国指定・がんゲノム医療中核拠点病院の岡山大病院が、国内の他の医療機関に先駆けて行う。

 対象は16歳以上で、固形がん患者のうち、外科手術などの対象でなく、標準的な抗がん剤治療を実施した人。患者からがん組織を採取して専用の装置で解析する。検査費用は全額患者負担で1回約60万円。

 遺伝情報に基づいて最適な治療を選ぶ「がんゲノム医療」に取り組む国内の約30の医療機関も先進医療として順次開始。連携してデータを収集し、将来の保険適用につなげたい考えだ。

 岡山大病院は昨年11月、保険適用の遺伝子パネル検査2種類を導入。調べられる遺伝子数はそれぞれ114、324種類だった。ゲノム医療総合推進センターの遠西大輔准教授は「最適な治療薬の発見につながる可能性は高く、患者の希望につながる」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年11月26日 更新)

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