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新型コロナ ワクチンの有効性は 川崎医科大・中野貴司教授が講演

新型コロナウイルスワクチンの有効性などを話す中野教授

 新型コロナウイルスワクチンを議論する政府の分科会メンバーを務める中野貴司川崎医科大教授(感染症・予防接種)が3日、岡山市役所の対策本部会議で講演し、ワクチンの有効性や副反応について解説した。講演の要旨を紹介する。

 はしかなどの感染症は一度病原体が体内に入ると、記憶ができて次に同じ病原体が入ってきた時にはね返す力を持つ。これを免疫と呼ぶ。病気にかからなくても免疫を獲得できるのがワクチンだ。

 コロナのワクチンは新しい種類で「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれている。どちらも、ウイルスの遺伝情報を投与し、ウイルスが体内に入ってきたかのように思わせて、免疫を作らせる仕組みだ。

 国内で接種が予定されているワクチンの有効率は60~95%と言われる。インフルエンザワクチンよりも有効率が高く、重症化の予防も期待できる。ただ、効果の持続期間、年齢や基礎疾患による有効率の差などはこれからの検討になる。

 治験のデータなどから、痛い、腫れるといった副反応が出る頻度は、インフルエンザワクチンより高いとみられる。数日以内に38度を超える発熱の報告もあるが、1週間以内に回復している。副反応が出ても免疫ができて、後遺症がなければ、感染症予防にワクチン接種は有効といえる。

 市民の皆さんには情報を積極的に取り入れ、複数の人から意見を聞いてほしい。持病がある人は、かかりつけの医師に相談するなど情報を整理した上で判断をしてもらいたい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年02月04日 更新)

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