文字 

岡山県内でワクチン優先接種開始 医療従事者ら8万人対象

新型コロナワクチンの接種を受ける医療従事者=5日午後3時1分、川崎医科大総合医療センター

 新型コロナウイルス感染症の診療に当たる医療従事者らへの米製薬大手ファイザー製ワクチンの優先接種が5日、岡山県内で始まった。県内の対象者約8万人に対し、国から第1便として供給されるワクチンは1万7750回分の見込み。県はコロナ患者を受け入れている医療機関にワクチンを優先配分する方針で、今回は45施設で順次接種が行われる。

 この日、接種を開始したのは川崎医科大総合医療センター(岡山市北区中山下)と倉敷スイートホスピタル(倉敷市中庄)。同センターでは、医師や看護師ら70人が勤務の合間などを利用して施設内の特設会場を訪れ、同僚の医師らによる予診を済ませてから接種を受けた。接種後は急な体調の変化に備えるため、会場に15~30分間待機した。

 最初に接種を受けた猶本良夫院長(68)は「これまで感染リスクにさらされながら診療を続けてきただけに、長いトンネルに光が差してきた感じだ」と話した。同センターは約2週間かけて約760人に1回目の接種をする計画。

 県によると、ワクチンは5日までに、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)、倉敷中央病院(倉敷市美和)、津山中央病院(津山市川崎)など計9施設に計8775回分が到着しており、いずれも今月中旬までに接種を始める予定という。

 県内では現在、国が安全性を確かめるための先行接種が国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区田益)と岡山労災病院(同市南区築港緑町)の医療従事者を対象に行われている。4月にも始まる高齢者への接種ではワクチン約2万1千回分が届く見込みで、県と市町村が配分先を調整している。

 今回の優先接種の対象は全国で約470万人。この日は東北から九州まで各地の医療機関で実施された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年03月05日 更新)

ページトップへ

ページトップへ