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玉野医療センター発足 2病院統合 独法化で地域医療維持へ

看板を除幕する黒田市長(右から2人目)、佐藤理事長(左から2人目)ら

 玉野市の市立玉野市民病院と、玉野三井病院を統合した地方独立行政法人・玉野医療センター(同市宇野)が1日、発足した。統合で経営基盤を強化して地域医療の維持を図り、2024年度に新病院を開院する計画。救急患者を積極的に受け入れる「断らない医療」を掲げるとともに、リハビリテーション部門を強化し在宅復帰を支援する。

 地方独立行政法人となれば、自治体の直営に比べ経営の自由度が格段に高まり、人事や予算で自律的、弾力的な運営が可能となる。経営指標「病床利用率」は、24年度の目標を現状より10ポイント以上高い89・0%に設定。新病院開院7年目の30年度に黒字化を目指す。

 同センターの事務局を置く市民病院の玄関付近で、「玉野医療センター」と書かれた看板の除幕式があり、黒田晋市長、同センターの佐藤利雄理事長がロープを引いた。佐藤理事長は取材に「市に財政負担をかけず、自立して運営していけるようにする」と話した。

 新病院は同市宇野に新たに整備し、6階建てで病床190床の計画。開院まで3年間は、市民病院と玉野三井病院の2病院でこれまで通り診療を続ける。

■初代理事長に佐藤利雄氏

 玉野医療センターでは、人事が決まった。初代理事長に、県健康づくり財団健康づくり総合センター長だった佐藤利雄氏が就任。理事には、2016~20年度に市民病院の経営指導を行ってきた医療法人・平成博愛会(徳島市)の武久洋三理事長ら5人が名を連ねた。

 市民病院に法人全体の事務を担う法人本部を置く。本部長には、市政策財政部参与で市民病院事業管理局長だった服部克巳氏が同センターへ出向する形で就いた。

 他の理事、監事は次の通り。

 理事 磯嶋浩二(玉野三井病院長)▽山原茂裕(市民病院長)▽三島康男(市民病院名誉院長)▽前田嘉信(岡山大病院長)

 監事 小林裕彦(弁護士)▽福原一義(公認会計士)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年04月01日 更新)

タグ: 医療・話題

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