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ワクチン接種 加速の動き拡大 県内病院、実施日や時間増やす

5日から高齢者へのワクチン接種を始めた岡山済生会外来センター病院

 新型コロナウイルス対策の切り札として期待されるワクチン。高齢者への接種完了を急ぐ政府や自治体の要請を受け、岡山県内の病院では接種の日数や時間を増やすなど、スピードアップを図る動きが広がっている。

 「一日も早くと思っていたので安心しました」

 5日に高齢者接種を始めた岡山済生会外来センター病院(岡山市)で、1回目の接種を受けた女性(83)=同市北区=は、ほっとした表情を浮かべた。

 病院は当初、平日3日間の午後に1時間実施し、週に200人程度を受け付ける計画だった。しかし、接種加速を求める政府の呼び掛けに応じ、各日とも約1時間延長。土曜も医師や看護師らを配置し、最大で週900人に対応できる態勢を整えた。

 これにより、予約を受け付けている1950人の2回目の接種完了は8月中旬から7月末に前倒しできる見通し。「現場の負担は増すが、できるだけの協力をしたい」と担当者は言う。

 6月から、従来の日曜日に加え平日3日間の接種もスタートさせた岡山協立病院(同市)。平日の予約枠を当初予定していた各日30人から54人に拡大して臨んでいる。日曜は関連の診療所や福祉事業所などの応援を得てスタッフを増員し、1日当たりの接種人数を60人から段階的に広げ、最終的に600人に増やす計画。

 まび記念病院(倉敷市真備町川辺)は週に約300人の接種態勢を敷くが、同市からの要請もあって時間を延ばし、最大500人に拡大できる準備を進める。国重純弘事務長は「より多くの真備町地区住民が遠く離れた集団接種会場ではなく、地元で受けられるようにしたい」と話す。

 政府は7月末までの高齢者への接種完了を目標に掲げており、接種回数の多い医療機関などへの財政支援を決めている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年06月05日 更新)

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