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ヤマブドウに肺がん発症抑制効果 岡山大グループ マウス実験で確認

有元佐賀恵准教授

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の有元佐賀恵准教授(分子毒性学)らのグループは、ヤマブドウの果汁に肺がんの発症を抑える効果があることをマウス実験で確認した。

 たばこに含まれる発がん性物質を注射したマウス32匹で実施。餌と糖分を抜いた果汁を飲ませる15匹と、水だけを飲ませる17匹に分け比較した。26週間後に解剖して肺を観察すると、果汁を飲ませた群の腫瘍数は平均2・0個で、3匹が発症しなかった。水の群は17匹とも発症し、腫瘍数は同7・6個だった。

 培養したヒトの肺がん細胞を果汁に浸す実験も実施。ヤマブドウの成分で抗炎症作用がある「ジメトキシベンゾキノン」が、傷ついたDNAを修復し、がん細胞の増殖も防いでいることが質量分析などで推定できたという。有元准教授は「5年生存率が高くない肺がんの予防や治療に向け、研究を続けたい」と話している。

 成果は6月、国際科学誌に掲載された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年07月04日 更新)

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