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12~15歳接種 県内で本格化 保護者に不安 自治体は同伴求める

 岡山県内で新型コロナウイルスワクチンの64歳以下への接種が本格化する中、12~15歳についても接種が始まった。山陽新聞社の調べによると、8月末までに27市町村の大半が開始を予定。保護者の間には副反応への不安も根強いため、きめ細かく対応できるかかりつけ医など医療機関による個別接種とするところが多い。すべての自治体が接種の際に原則、保護者の同伴を求めている点が、ほかの年代とは異なる。

 各市町村の担当者に7月30日時点での方針を電話で聞き取った。ただ、国からの今後のワクチン配分量が不透明なため、変わる可能性がある。

 接種は、総社市や和気町など13市町村が7月中に始め、美作市や里庄町など7市町が8月中に開始する方針。これら20市町村のうち、備前市や矢掛町など6市町村は「希望者には夏休み中に終えたい」とした。新見市は9月中に始める意向。

 時期が未定なのは岡山、倉敷市など5市町村で、理由は「ワクチンの供給が不足し、決められない」(岡山市)、「先行するほかの年代の予約状況を見て決める」(倉敷市)、「医療機関と調整中」(西粟倉村)など。津山市は医療機関での接種状況を把握していないとして「非公表」。

 接種の方法は、医療機関での個別接種が最も多く、井原、美作市、早島町など14市町村。いずれも副反応が出た際に迅速な対応が取れることを主な理由に挙げた。備前市や里庄町など9市町村は「医療機関が少ないため接種機会が限られる」などとして、個別接種と自治体による集団接種を併用する考え。瀬戸内市など集団接種とするところもある。

 接種を巡っては、国は同調圧力が生じて事実上の強制になる懸念があるとして、学校単位での接種を推奨しないと表明。保護者の間にも副反応や打たない子どもへの差別を不安視する声が少なくない。そのため、総社市は保護者を対象に接種希望の有無や接種方法を尋ねるアンケートを実施したり、奈義町は接種の効果や副反応に関する保護者向けの説明会を開いたりするなど、各自治体ともに大人への接種より慎重に準備を進めてきた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年08月01日 更新)

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