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ワクチン異物混入 県や大学が対応 接種中止や代替確保

ワクチン接種の中止を知らせる岡山大の掲示

 米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンに異物が混入していた問題で、厚生労働省が同じ製造ラインで作られた3ロット(計約163万回分)の使用を見合わせるよう要請した26日、岡山県内ではこのワクチンを集団接種に使う予定だった自治体や、職域接種で確保していた大学、企業が対応に追われた。

 県は、3ロットのワクチンが納品されたのは10団体と公表。山陽新聞社の取材で判明した自治体は県と総社市で、大学は岡山大、ノートルダム清心女子大(いずれも岡山市)、県立大(総社市)。自動車関連企業の協同組合ウイングバレイ(同)にも届いていた。これら6団体のうち、31日から接種予定だったノートルダム清心女子大を除く5団体は既に使用している。

 周辺の大学を含む学生ら約1万2千人に接種している岡山大。26日も2回目の接種を予定していたが、急きょ中止とした。最終日となる27日の予約者も含めた782人にメールなどで伝え、会場周辺に張り紙を掲示した。

 同大保健衛生管理課によると、18日以降の約4800人にこのワクチンが使用されたという。在庫は該当のワクチンのみで、代替品の確保を急いでいる。

 県の集団接種では、飲食や理美容、旅館・ホテル業の従業員らを対象に川崎医科大総合医療センター(岡山市)で9日以降、県南部健康づくりセンター(同)で11日以降に計3318人に打った。総社市は市民会館での集団接種で15、19、21、22日に受けた計4443人。

 学生、教員ら約1200人に1回目の接種を終えた県立大は全員が該当。ウイングバレイでは600回分が納品され、18、20、25日に一部を使用した。

 いずれの会場からも健康被害は報告されていない。県や総社市などは「体調に異常がある場合は、申し出てほしい」としている。県のワクチン専門相談窓口(0120―701―327)でも対応する。

 県では両センターに残る計約1万人分の使用を見合わせ、今後の接種は26日に納品されたワクチンで予定通り行う方針。総社市も対象以外のワクチンに切り替えて対応しており、9月5日までの日程に変更はない。

 県立大は9月8日から始める2回目接種の日程は変更しない。当面の必要量を確保するウイングバレイも「スケジュールに影響はない」としている。

 一方、ノートルダム清心女子大は納品された全てのワクチンが該当しており、代替品の納入を業者に依頼。今後の日程は未定。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年08月26日 更新)

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