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ワクチン最前線「副反応」 出現頻度高いモデルナ製

 岡山県内で新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回打ち終えた人の割合は、県民全体の50%を超えた。これまで主に使われてきた米ファイザー製と米モデルナ製では、いずれも接種後に同じような副反応が確認されているが、出現頻度には違いが見られる。

 県内の医療従事者を対象に調べたファイザー製の副反応(1回目接種後)と、岡山大の教職員や学生に調査したモデルナ製の副反応(同)について、同大の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が比較分析した結果によると、モデルナ製を接種した後の方が割合は高い傾向にあった。

 主な副反応を見ると、「発熱」を訴えた人はファイザーの2・7%に対し、モデルナは8倍超の23・0%。倦怠感(けんたいかん)はファイザーが24・3%だったが、モデルナは2倍の48・5%に上った。頭痛もファイザー(18・2%)よりモデルナ(29・7%)の方が10ポイント以上上回った。副反応が出やすい20代以下に絞っても、発熱は7倍、倦怠感は2倍―など、ほぼ同様の開きが出た。

 海外や国内の先行報告でも同じ傾向にあるという。

 それでも、頼藤教授は「どちらのワクチンも副反応は数日で落ち着く」と説明した上で「接種することで重症化を防いだり、感染しにくくしたりする効果が得られ、メリットの方が大きい」とする。

 国内で接種が始まったばかりの三つ目のワクチン・英アストラゼネカ製でも同様の副反応が想定されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年09月06日 更新)

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